記事
だから訪れるカナディアン・ロッキー
世界自然遺産、カナディアン・ロッキー。そこに溢れる魅力の背景をざっと紹介します。

世界自然遺産
永遠のロッキー・永遠の私
ユネスコ世界遺産とは、現代を生きる世界のすべての人びとが共有し、未来の世代に引き継いでいくべき人類共通の宝物のことです。世界遺産には自然遺産、文化遺産、複合遺産があって、「すぐれた価値を持つ地形や生物、景観を有する地域」が世界自然遺産です。(出典:ユネスコ)。
日本でも、白神山地、屋久島に続いて、知床が世界自然遺産に指定されましたが、カナディアンロッキーも、そのひとつ。世界遺産には「国境」という概念がありません。だから、私たち日本人も、カナダの人たちと共にロッキーの大自然を分かち合う権利があり、また、守っていく仲間でもあります。 ただ、ロッキーに来ると、雄大な大自然に守られているのは、むしろ人間の方だと感じます。
山のパワーがちっぽけな人間を包んで癒してくれる…。はるか昔からロッキーはそこにあり、未来永劫、残っていく。
カナディアンロッキーの真ん中に立つときは、あなたも世界遺産の一部になるのです。
マグマと氷河が造った巨大彫刻
カナディアンロッキーの土は、なんと海底の土砂。悠久の昔、火山活動で海底から隆起しました。でも、この頃のロッキーは、今私たちが目にする姿とは違います。
数万年以上も昔、地表の3分の1が凍りつき、ロッキーも雪と氷(氷河)に覆われました。当然のことですが、重いものを傾斜におくと下へ向かって滑っていきます。氷河も自重で、 ゆっくりと大地を削りながら移動し、それが今のロッキー特有の険しい渓谷とゴツゴツの岩壁を造り出したのです。 今日もロッキーは雨と風に削られながら、その姿を変えています。まるで製作途中の彫刻みたいに。
太古から残る大氷原
氷河の残りは、今もカナディアンロッキーの頂きにあります。 コロンビア大氷原は、まさに太古の水と記憶をギュッと凍り付かせたもの。この大氷原から大小無数の氷河が流れだしているのです。 「氷河が流れる」と聞いても見た目にはわかりません。流れる速度があまりにゆっくりなためです。 氷河は冬、雪が積もると体積が増え、春から夏は溶け出して体積が減ります。 例えて言うと、一年で太ったり痩せたりするわけですが、地球温暖化のため、今は溶け出す方が多く、氷河はどんどん小さくなっています。
カナディアンロッキーはトンガリ屋根〜大陸分水嶺(たいりくぶんすいれい)
Q カナディアンロッキーに降る雪は、春溶けてどの海へ流れるでしょうか?
- 北へ向かって北極海じゃない?
- 一番大きな海、太平洋でしょう。
- あれだけ高い山から流れるんだから大西洋まで行くよね。
- よくわからないけど、四方八方、全部かな?
A 答は4。もっとも文字どおりの四方ではなく、東西北の三方です。
トンガリ屋根の頂点に水滴をたらすと四方に流れ落ちるように、カナディアンロッキーの水も八方へ広がって流れます。 川は少しずつまとまって、ひとつは北の北極海へ。別の流れは西へ進んで太平洋へ。そして、もうひとつは北米大陸をえんえん旅して大西洋へ行きつくのです。
こんなふうに、水が異なる方角へ流れ出す尾根を分水嶺といいます。まさにロッキーは北米大陸のトンガリ屋根なのです。
神秘の氷河湖
カナディアンロッキーには星の数ほど湖がありますが、巨大なものから小さなものまで、そのすべてが神秘的な湖水をたたえています。
独特の群青や緑の色は、氷河が溶けた水に岩粉が混じっていて、光に乱反射するため。毎年、雪解けの頃は、氷河から新たに溶けだした水が流れ込むため、湖水のカラーも微妙に変化します。エメラルド・グリーン? サファイア・ブルー?どの色の湖にあなたは出会えるでしょうか?