現在地: Home 記事 田中康一のネイチャーコラム(連載) 黄色いカタクリ 「Glacier Lily」

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黄色いカタクリ 「Glacier Lily」

by 田中 last modified 2006-08-02 19:39

初夏のエメラルドレイク湖畔やウォータートン国立公園も、たくさんのGlacier Lilyが咲き誇る。湖畔や道端を埋める景観は、何度訪れてもため息を繰り返す。

もののふの 八十娘子(やそをとめ)らが汲みまがふ
 寺井の上の 堅香子(かたかご)の花 
  (万葉集 巻十九 4143)

日本を代表する山野草、カタクリ(ユリ科)を紹介する際に引用される歌である。

「堅香子(かたかご)」とはカタクリの古名。
歌の意味は、何人もの乙女たちが、入れ代わり立ち代りお寺の湧き水を楽しそうに汲んでいる。その側でカタクリがたくさん咲いている といったところか。

カタクリは知らなくても、片栗粉ならご存知か?
現在はジャガイモのでんぷんが利用されているが、もともとはカタクリの地下茎を粉にしていた。

カナディアンロッキーにもGlacier Lily(グレーシャー・リリー)という名でカタクリの仲間が咲く。日本のピンク(ムラサキ)とは違い、鮮やかな黄色である。「ヒーリーメドウ」というハイキングコースの広大な大群落は、地球上のものとは思えないほどの楽園だ。

初夏のエメラルドレイク湖畔やウォータートン国立公園も、たくさんのGlacier Lilyが咲き誇る。湖畔や道端を埋める景観は、何度訪れてもため息を繰り返す。

Glacier Lilyの地下茎に含まれるでんぷんは、グリズリーの大好物。
種に付着しているエライオームはアリの大好物。
Glacier Lilyが群生する場所は、アリとでんぷんを一度に食せるという理由から、グリズリーにとっても楽園である。
  
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