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イヌワシの華麗な舞

by 田中 last modified 2006-11-08 03:57

カナディアンロッキーの黄葉が華やかさを増す頃、遥か上空でも Golden Eagle(イヌワシ)の移動がピークを迎える。いわゆる、越冬地(南)への「渡り」である。

キャンモアやカナナスキスの上空は、北米に4つある渡りコースのひとつ「Rocky Mountain Flyway」の一部。春と秋には、それぞれ2,000-4,000羽ものイヌワシが通過する、「Eagle Highway」として知られている。移動距離は最長で11,000km。アラスカで繁殖した個体がニューメキシコ州まで移動した例もあるという。カナナスキスには北米でも有名な観測サイトがあり、毎年、春・秋の合計6ヶ月が観察に充てられている。2005年の秋は4,000羽近いイヌワシが確認され、わずか1時間で73羽を数えた日もあった。

イヌワシのような大型の猛禽類は、環境の良し悪しを知るための「指標生物」だ。渡りを観測することで、個体数の増減はもちろん、獲物となる小・中型哺乳類の生息状況や繁殖地と越冬地の生態系なども明らかになる。また、成鳥か亜成長(若鳥)かなどの年齢構成や性別などから、アラスカやユーコンでの繁殖成功率まで計ることもできるそうだ。

イヌワシは翼を広げると2mにも達する、北米でも最大規模の肉食鳥。華麗で優雅なソアリング(翼を広げたまま飛ぶこと)と、そこから急降下して獲物を捕らえる俊敏さ。強さと美しさを兼ね備えたその姿は、空の王者と呼ぶにふさわしい。

彼らの視界にはどんな風景が広がるのだろう? どんな場所で生まれ育ち、どこまで飛んで行くのだろう?   双眼鏡に飛び込むイヌワシを眺めていると、いろいろな想像が膨らんでくる。翼を広げ、上昇気流に乗りながら天高く遠ざかる。生態系の頂点に立つ王者の華麗な舞だ。

遥か上空のイヌワシを確認するには、残念ながら肉眼では困難だ。高倍率の望遠鏡に頼るか、トレイルを登って高さを稼ぎ、双眼鏡で追いかけるのが理想だろう。雲が厚いと隠れてしまうので、なるべく青空の目立つ日を選ぶのもコツだ。

10月にキャンモアで行われるイーグルフェスティバルはお勧めだ。いちばん人気は、イヌワシやフクロウなどを展示してくれるプログラム。レスブリッジ郊外の猛禽センターで保護されている数種類をお披露目してくれる。警戒心の強い猛禽類に接近できる機会などめったにない。ご家族向けにも楽しめるはず。

秋の渡りのピークは9月下旬から約1ヶ月。

快晴の空をめがけて、Eagle Highway を眺めてみるのもよいのでは?

  
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