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ナキウサギ
9月に入るとハイキングシーズンも大詰め。黄葉はもちろんだが、愛らしいPikaにも注目して欲しい。最も活動が盛んな時期だけに、出会える確立も高くお勧めである。
モレーンレイクでもお馴染みのこの小動物は、“ピカ”、または“パイカ”と発音される「ナキウサギ」の仲間。
北海道に棲む「エゾナキウサギ」も同種として知られる。ちっちゃな体で草花を口いっぱいに詰め込む姿は、この時期だけの限定シーン。くすぐったくなるほど微笑ましい、お気に入りの場面だ。
Pikaが棲むのは森林限界付近。周辺が高山植物に恵まれ、岩が無数に積み重なった隙間に巣を作る。イヌワシなどの猛禽類やイタチ科の動物など、外敵の侵入を防ぐためだ。小動物だからこそ可能な、上手い工夫だと感心する。6ヶ月以上は雪に覆われる環境にもかかわらず、冬眠をしないということにも驚いた。冬までに運んだ植物を保存し、冬の食糧に充てながら巣穴で過ごすという。
高山植物の宴が終わる頃、Pikaは刈り入れを始める。せっせと草花を巣穴に運び、干し草にするそうだ。 長い冬を過ごすためには、かなりの蓄えが必要なのだろう。夏が終われば日没も早い。東奔西走(とうほんせいそう)、巣穴と畑を繰り返し往き来する。
しばらく眺めていると、おもしろい行動に気付く。
駆け回っていたかと思うと、突然、岩や地面で止まったまま身動きしない。再び走り出すまで、その場にじっと座ったままだ。警戒しているとの説もあるが、思案中? それとも目を開けて瞑想?? そんな様子に見えるほどの表情が印象的だ。固唾をのんで、身動きできなくなった自分にも苦笑い。
ナキウサギと言われても、第一印象は太ったネズミ。小さな体に大きな丸い耳。アニメの「トムとジェリー」が頭をよぎる。
だが、
- 細長いしっぽがない。
- 走るのではなく、ウサギ跳び。
- 食事中は手を使わず、口だけで。
- 前足の指(手指)が5本(ネズミは4本)
- 上の門歯(前歯のこと)が二重になり、前歯は合計6本(ネズミは4本)
などの理由で、立派なウサギの仲間らしい。
独特の感性で輝く黄葉と、愛らしいPika の織り成すコラボレーション。
秋のカナディアンロッキーを代表するワンシーンである。



