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レンタカーで巡る
その自由度と開放感がたまらないクルマの旅。バックミラーが勇壮な山々と旅のベストメモリーを映し出す。
レンタカー旅行の勧め
清楚な針葉樹の森を行くゆるやかなワインディングロード。コーナーを抜ける度に新しい景色が眼前に広がる。時には青空を覆う大岩が、時には白く輝く氷河が、時には轟音を立てて流れる清流がそこにある。
かつては富裕層向けの高級保養地であったカナディアンロッキー。豪華列車で何日もかけて訪れるのが普通であった。バンフ・スプリングス・ホテル、シャトー・レイクルイーズといったお城のような高級ホテルはまさにこうした客のために建設されたものだ。
しかし1920年代に自動車が大衆化するとマイカーで訪れる人が増加。それに伴い道路整備が進み、ホテルもクルマで訪れて気軽に泊まれるカジュアルな様式が増えた。
現在のカナディアンロッキーの旅のスタイルは自分でハンドルを握って巡るクルマの旅が主流。公園の設備もクルマを中心に設計されており、公共の移動手段が意外に少ない。豪華列車は健在だが便も路線も限られている。国立公園の要所を結ぶ路線バスも電車もない。
そう、カナディアンロッキーの移動手段はクルマが最も便利な方法だと言える。それにクルマの旅は運転そのものが有意義なアクティビティーでもある。クルマ好きでなくとも、風光明媚なカナディアンロッキーの道でハンドルを握るのは忘れがたい爽快な体験となるだろう。
おすすめルート
ざっとカナディアンロッキーの地図をみてみよう。
カルガリー、バンフ、ジャスパー、エドモントンが逆さまの台形を描いているが、重要なのはカナディアンロッキーを縦走するバンフ〜ジャスパー間。あのアイスフィールド・パークウェイもこの区間にある。
飛行機でカナディアンロッキー入りする場合は、カルガリーかエドモントンの国際空港を使うのが一般的。
どちらかを起点に一筆書きのように回ろうとすると、台形を一周してしまうようなルートを考えてしまうが、総距離が最短でも1000キロ以上にもなる上走行地帯のほとんどが大平原となってしまう。それはそれで一興だが、カナディアンロッキー目当ての旅行者にとっては著しく効率が悪い。
ではカルガリーを起点、エドモントンを終点(あるいはその逆)とすれば効率が良さそうに見えるが、ジャスパー〜エドモントン間だけでも361キロ。この区間は見どころが少なくやはり効率面ではかなり難が残る。またレンタカーは安からぬ乗り捨て料金が取られるし、飛行機も同一航路の往復ではなくなるから高くついてしまう。
そこでずばり筆者のおすすめは、カルガリーからジャスパーまで往復するルート。同じ道を往復するのはもったいないと思うかも知れないが決してそんなことはない。逆にこう考えて欲しい。「あのアイスフィールド・パークウェイを二度楽しめる」と。
カナディアンロッキーのドライブは同じルートながら北上する時と南下する時では景色の見え方がまったく違う。ただでさえ刻一刻と変化する山の表情は、違う角度から見るとまるで別の印象になる。
地元のガイドに聞くと、バンフからジャスパーに向う時よりもジャスパーからバンフに向う時の景色の方が雄大で好きだという人が多い。これはほとんどの氷河が日光のあたりにくい山の北斜面にあるため、南下する際の方が視界に入りやすいからだ。
そしてもう一つ重要な点が天気。山の天気は変わりやすい。行きは晴れでも帰りは雨、あるいはその逆といった可能性もある。
もし行きが晴れだったら、主要スポットを行きに訪れてしまい、残りのスポットは帰りに訪れる。行きが雨だったら、行きは見どころにあまりとらわれずに気のむくままに移動し、帰りに見どころをじっくりと訪れる。こんな往復ならではの柔軟な行動が可能だ。
そういうわけで筆者の一番のお勧めはアイスフィールド・パークウェイを二度楽しめる往復ルート。
もしカルガリーの市街地運転に不安があるのなら、バンフまたはキャンモアまではシャトルバスまたは現地旅行会社の送迎サービスを利用し、そこをレンタカー旅行の起点・終点にしてもよいだろう。
モデルプラン
では前述のおすすめルートをもとにおすすめ日程を考えてみよう。余裕があれば各地での宿泊日数は増やしたいところ。あくまでもこれは参考のためのモデルプラン。滞在日数や興味に応じて自分なりの旅を作っていただきたい。
| 初日 | カルガリー空港からバンフへ。バンフ観光。 | バンフ/キャンモア泊 |
| 2日目 | バンフからジャスパーへ。 | ジャスパー泊 |
| 3日目 | ジャスパー観光。 | ジャスパー泊 |
| 4日目 | ジャスパーからバンフへ。 | バンフ/キャンモア泊 |
| 5日目 | バンフ周辺観光。 | バンフ/キャンモア泊 |
| 最終日 | カルガリー国際空港から帰路へ |
まずはカルガリー国際空港に到着した初日。この日はバンフまたはキャンモアに宿泊し、バンフのスポットを巡る。バンフにはまた戻ってくるのでその際にバンフ周辺の観光もできる。
ヨーホー国立公園を訪れるのであればジャスパーに行く途中レイクルイーズで一泊するのも手だ。レイクルイーズからヨーホーには片道27キロと近いし、バンフに戻ることなくそのままジャスパー方面に進めるから都合がよいのだ。また、最近人気のレイク・モレーンへもレイクルイーズからは片道15キロのドライブだ。
レイクルイーズ周辺は宿泊施設が少ないのが難点。しかしここには湖畔に佇む高級ホテル、シャトー・レイクルイーズがある。贅沢が許されるのならシャトー・レイクルイーズに泊まり、セレブな時間を過ごすのはいかがだろうか。
バンフ〜ジャスパー間はコロンビア大氷原、ペイトレイク、ボウレイクなど見どころが目白押し。存分にカナディアンロッキーの魅力をエンジョイされたい。
ジャスパーには最低2泊は取りたい。バンフ方面からジャスパー入りするとなると到着は夕方になるだろう。そしてバンフ方面に戻る日は午前中には出発したいところ。そうなると一泊ではジャスパーの主要スポットを巡りその美しさを堪能するには無理がある。
ジャスパー観光の目玉となるマリーン・レイクまではジャスパーの町から片道48キロ。マリーン・レイクで遊覧クルーズに乗ったり、途中にあるマリーン・キャニオンで散策をしたりしたら1日たっぷりの行程になるだろう。仮に駆け足で往復して半日で済ませたとしても、ジャスパー・パーク・ロッジ、ウィスラーズのトラムウェイといったスポットを訪れればこの日はそれでタイムアップとなる。
ジャスパーでサイクリング、ラフティング、カヌーといったアクティビティをしたいのならさらにもう1泊欲しいところ。
ジャスパーでおすすめのスポットの一つにエンジェル氷河がある。ジャスパーから片道29キロ。一部道が険しく大型バスが入っていけないため、日本からのツアーにではあまり訪れない隠れスポット的存在でもある。
ここにはジャスパーでの中日に訪れても良いが、バンフに戻る日に予定に含めるとよい。なぜならエンジェル氷河を訪れた後、そのまま旧道(93A)でアサバスカ滝(バンフ方面)に向えるからだ。この旧道が明るい林の中を行く田舎道のような趣きがありなかなか心地良い。ただこの日が忙しくなりすぎないように全体のバランスをみながら予定を立てて欲しい。
できれば予定は天気予報に注意を払って臨機応変に調整したい。エンジェル氷河を見るためには駐車場から1.6キロ程のトレイルを歩く。雨の中歩くのが嫌な方は、雨天を避けて訪れると良いだろう。
最後はバンフまたはキャンモアの2泊になっている。ヨーホー国立公園、クート二ー国立公園、カナナスキスなどが日帰り圏なので、いずれかに足を伸ばすか、のんびりと町歩きや散策で過ごしてもよいだろう。またバンフ近辺では乗馬、カヌー、ハイキング、ラフティング、マウンテンバイクなど、アクティビティーのチョイスも多い。
- パート1 レンタカーで巡る
- パート2 レンタカーを借りる
- パート3 これだけは知っておきたい
- パート4 レンタカー旅行のヒント